岡山の社会保険労務士です。ストレスチェック実施の外注、就業規則等社内規程の作成業務委託、労務管理、社会保険の手続、給与計算の外部委託、記帳代行、経理のアウトソーシング事業者、新入社員研修、ビジネスマナー・コミュニケーション・メンタルヘルスなどの研修・セミナー・講演を実施しています。

近頃ではちょっとないほど、ショックな出来事があった。
JR岡山駅みどりの窓口でのことである。

来月早々、交流分析の恩師である下平先生の講演会を聞きに横浜へ行く予定にしている。そこで、新幹線の切符を購入するためにみどりの窓口に行った。

080115_1212~01岡山-新横浜間は、『のぞみ早特往復きっぷ』というのがあって、2万6000円で買える。通常ののぞみより、5000円以上も安い。
以前娘が東京へ行った時に利用したが、早めに購入すれば希望する列車の指定席がとれる。

 

 

今回は、ちょっと面倒な買い方をしなくてはいけなかった。というのも、芦屋の友人と一緒の新幹線で行こうと約束をしているからだ。
したがって、
①岡山-新横浜(『のぞみ早特往復きっぷ』):私
②新大阪-新横浜(通常の新幹線往復きっぷ):友人
③隣同士の指定席
の条件を満たさなければならないのである。

だから、窓口で切符を渡された時も、指定席番号ばかりが気になって、他のことはあまり注意しなかった。窓口係の女性から「早特きっぷのご利用ははじめてですか?」ときかれたが、以前の娘のことを思い出して「いいえ」と答えた。「使い方はおわかりですね」と言われ、いささか不安になって「何か特別な使い方ってあるんですか?」と問い返すと、『ご案内』というカードを渡された。
ともあれ、友人が希望していた700系のぞみ(しかもN700系!)の切符が取れ、満足して帰路についたのである。

ところが、帰りの路面電車の中で切符をながめていて、大変なことに気がついた。復路ののぞみの時間が違っているのだ。
新横浜発15:50のぞみ93号のつもりが、13:50のぞみ89号となっているではないか!
1時50分じゃ、いくらなんでも早すぎる。仲間とお昼ご飯も食べられない。自分で申込み用紙に記入したのを覚えているから、おそらく「午後3時ごろに出発」と考えていたので、午後3時→13時となったのだろう。完全に私のミスである。

080114_1743~02これは何とかしなければいけない。友人の分の切符も訂正しなければ。2日後にまたみどりの窓口まで出かけていった。
ちょうど混んでいる時間で、ちょっと申し訳ないなと思いつつ、列に並んだ。順番が来て「どうぞ」と呼ばれたのは、見るからに“研修中”という若い男性の窓口。後ろに指導係らしい男性がついている。「大丈夫かなあ」と心配になったが、指導係がいるのはかえっていいかも、と考え直してその窓口に行った。
なるべくわかりやすく、と言葉を選びながら説明した。と、指導係が開口一番「窓口で確認しませんでしたか?」と強い口調で問うてきた。『窓口係が確認を怠ったのではないか』という意味らしい。

「いえ、確認していたと思います」と答えると、「ではなぜこんなことになったのですか?」とさらに畳みかけてきた。私が気がつかなかったのよ!と心の中で弱々しくつぶやきながら「ですから、私が間違って用紙に記入してしまったんです」。
係:「でも、窓口で確認したでしょ。なんで気付かなかったんですか?」
私:「切符を見たけど、ちゃんと頭に入っていなかったんだと思います」
隣の窓口で切符を待っている男性客が、じっと聞き耳をたてているのがわかった。
このあたりで、すでに私の血圧は上昇し、顔が上気してきていた。

すると、くだん指導係は顔をしかめ、声を落として「早特きっぷは変更がききません。通常なら3万円を越えるものが2万6000円なんですからね。席数にも限りがあるし、すぐ売り切れるんです」
「その日のうちなら、まだなんとかなったんです。電話だけでもいただければ」
(そのことはご案内に書いてないよね)
そして、再び、「ご案内はお渡ししてますよね?読んでいただけましたか」

080115_1213~01はい、確かにもらいましたよ。切符を買った時にアンケートと一緒に。どちらも同じ大きさで、小さな字がごちゃごちゃと書いてあって、そんなに大事なものとは思わなんだ。おお、確かに「乗車日、乗車列車・区間の変更はできません」と書いてある。うーん。

「じゃあどうしたらいいんですか?」と私。もう、うんざりしていた。
指導係は「上の者にきいてきます」とドアの向こうに消えていった。すると、それまでじっと黙っていた窓口係が小さな声で「変更が無理だと一旦キャンセルしていただくようになります。その場合は手数料がかかりますが…」「かまいません。手数料でも何でもお支払いします!」(なんだ、そういうやり方もあるんじゃん)

やがて帰ってきた指導係は「本来は変更がきかないんですが、今回はたまたま日にちがありますから」と切り出してきた。その恩着せがましい態度に、ついに私は「キャンセルでも何でもかまいません。手数料もお支払いします。とにかく私はのぞみ93号に乗れたらいいんです」と言った。
もう本当に早特きっぷをやめて、通常料金で買い直そうかと思った。
「いえ、今回は日にちがあってまだ余裕がありましたから、変更できます。しかし、今後はこういうことはないようにしてもらわないと」あまりにもしつこいので、聞いているだけで疲れてきた。時間を間違えて買ってしまったのは、そんなに許されないことだったのだろうか。情けなくなってきた。

私がそれでもおとなしくしていたのは、段々と「行き着くところまで行ってやれ」的な気分になってきたから。JRのお手並み拝見、という訳だ。

早特きっぷの時間を間違えた、変更がきかないきっぷだったが、幸いなことに日にちがあり変更ができた…本来ならめでたし、めでたしである。
しかし、この怒りと不快感は何なんだろう。

夫に話すと「それはマニュアルに不備がある」という。変更ができないのなら、それを通すべきである。時間的に余裕があって変更がきくことがあるのなら、それを知らせるべきである。変更できないと言いながら、実際にはなし崩しにやっているのが問題だという理屈である。

そうではない。私が怒ったのは、ただ単にあの指導係の接客態度に対してなのである。たとえ変更がきかなくても、結果的にキャンセルすることになったとしても、彼がお客さまの立場になって誠実に応対してくれていれば、私はあきらめてもかまわなかったし、また心から「無理をきいてくれてありがとう」という気持ちになれただろう。

まず自分たちに責めがあるかどうかを気にし、お客さまに落ち度があればそれを追求する。「間違った時間ではお困りでしょう」という姿勢がゼロどころかマイナスである。私が腹を立てているのは、そういう彼の態度なのだ。接客とは、つまるところお客さまの要望をかなえるために力を尽くすということなのだから。

去年の秋に、当事務所でも接遇やクレーム応対のセミナーを開催した。その際、「ムッカ~」の心理についても講義をしたが、まさしくそれを地でいくような経験だった。この経験は、今後も仕事の上で大いに役立つに違いない。
今回、私は敢えてクレームを言うことはしなかった。しかし、それは決して納得したからではない。それどころか、もうあまりJRを利用したくない、と思ってしまった。今まで苦手だから避けていた飛行機にしようかとまで考えている。
クレームがないから、うまくいっていると思うのは大きな考え違いだ。まことに、サイレントクレーマーほど恐ろしいものはないのである。

JRの職員がすべて不愉快なわけではない。だからこそ、何人かの人間のせいでその企業の評価が決まる恐ろしさを、もっと自覚してほしいと思う。