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身内が交通事故を起こして大怪我をした。“一命を取り留めた”というぐらいひどい状態だった。

495わが家に連絡が入ったのは午前4時頃。けたたましい電話の呼び出し音に「すわ、ばあちゃんに異変か!?」と受話器をとると、姉の声が耳に飛び込んできた。「○○が事故して病院に運ばれた。そちらの方が近いからすぐ行ってほしい」とのことだった。
訳のわからぬまま支度をし、病院に着いたのは4時40分過ぎだった。

家族・親族が揃ってからICUに案内された。詳しい事情は誰も知らないが、切れ切れに入ってくる情報によると、仕事から帰る途中で、運転していた軽自動車とトラックがほぼ正面衝突に近い形で事故を起こしたらしい。
後になって、事故車から救出されるまで、1時間近くもはさまれたままだったことがわかった。そのせいで両足が無茶苦茶になっていた。

妻が呼ばれて所持品を渡された。透明なビニール袋に入れられた服が血に染まっていた。それを目にした全員に緊張の色が走る。

妻と両親が呼ばれて医師から説明を受けた。両手、両足骨折、軽い脳挫傷というのが診断だった。まだまだ様子を見なければいけないが、まず命は大丈夫だろうとのこと。手術室からICUに運ばれる本人を見ると、両手と両足はギプスに包まれているものの、顔は腫れておらず、意識はないがしっかりしているように思えた。
結局この日は、病院に運び込まれてから最終的な説明を受けるまで10時間以上が経っていた。

感染症の心配がなくなった4日後に、再度手術が行われた。両腕と足の付け根の手術である。これも10時間以上かかった。
脳には問題がないこと、両手も大丈夫。ただ、両膝は曲がらないだろうから、正座やしゃがむことはできなくなるだろうとのことだった。歩いたり車の運転をしたりするのは問題ないようだ。
まだ若いので回復が早く、家族・親族はここで一安心した。

それにしても、2日間手術中病院に詰めていて感じたことがある。あまりにも説明不足だということである。
もちろん突発的な事故であるから、インフォームドコンセントなど期待しているわけではない。ただ、事故であればこそ、家族の心配、不安は天井知らずだ。
「7時に手術が終わります」と言われれば、7時には様子がわかると思っている。「8時30分頃に先生から説明があります」と言われれば、その時間より遅くなると気をもむのである。

もとより、次から次へと運び込まれる患者を見ていると、そんな不満を口にできる雰囲気ではなく、みなぐっと不安を飲み込んで耐えているのである。
「さきほど手術は終わりましたが、今は回復室ですのでまだしばらくは出て来られません」だとか、「先生は少し遅くなります」だとか適当な時間に知らせられないものか。
日々緊急患者に対応していると、家族に対してはあれほど鈍感になるものか。
待合いスペースに詰める家族と目も合わせないのは、そういうマニュアルでもあるのかと思わず勘ぐりたくなるほどであった。

しかし、それならそれで、何らかの手段を講じて家族へのフォローをする必要が絶対にある。
今回、TVドラマではなく、実際に自分がその場に居ることになって、強くそう感じた。

現在、医療機関では『接遇』に力を入れるようになってきている。組織内での取り組みや外部講師による研修などを行っているところは多い。この病院も大きな総合病院なので、当然行っているはずである。
にもかかわらずのこの有様である。研修講師としても、大いに考えさせられる問題である。