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601味の素株式会社から配達記録郵便が来た。
先日、小豆がゆの中から絞り口のようなプラスチック(らしい)異物が出てきたため、製造元である味の素に送っていたところ、報告書が返って来たのである。
(詳しくはコラム「わが家でも!食品の異物混入」で)

 

602報告書は2枚。他に手紙とアンケート用紙、返信用封筒、500円分のQUOカードが入っていた。
手紙にはお客様相談センター長と担当者の名前が入っている。

少し長くなるが、以下に報告書の全文を紹介する。
(脱字している箇所があるが、あえて原文のままである)

 

【ご提起品】
1.製品名   「味の素KK おかゆ」小豆かゆ
2.賞味期限  2009年3月18日
3.製造日    2008年3月18日
4.返送品    開封済袋1袋、中身のおかゆ、異物

【詳細情報】
ご提起内容   お召し上がりの際、プラスチックのようなものを発見された。

【異物の調査結果】
異物の特定
ご返送いただきました異物は、外径約14.5㎜(縁付き)、内径約10㎜、暑さ約1.2~2.2㎜、長さ約40㎜のテーパー形状で、丸くつぼまった先端部は直径約2㎜の穴があり、何らかのノズル、あるいはペンキャップのような形状をしておりました。色は乳白色で、縁の一部分は黄色くなっておりました。また、弾力のある柔らかいものでした。FT-IR(赤外線を当て、得られた波形によりその物質が何であるか特定する機器です)分析いたしました結果、材質はポリブタジエン樹脂と類似しておりました(参考資料をご参照下さい)。ポリブタジエン樹脂は、一般にフィルムやチューブ、ホース等に使用されております。開封済袋1袋を確認いたしましたところ、損傷等はなく、また、中身のおかゆにつきましても、その他に異物等の混入はございませんでした。

【製造工程の調査結果】
1.工程調査
当該製品製造工程におきましては、精米、小豆、調味料を袋に充填・シールした後、加圧加熱殺菌して製品化しており、その後、包装工程にて外箱に詰めて出荷しております。原料の米は、密封した状態で洗米し、水切り後、目視確認を行い、充填釜に投入しております。小豆は、洗浄、浸漬し、水切り後、目視確認を行い、充填釜に投入しております。米・小豆は水切り後、異物混入防止の為、ざるの上にプラスチック(ポリエチレン)製のフタをするように注意しております。また、米・小豆の順に専用カップに1袋分づつ自動供給したものを袋に充填しております。清水につきましては、弊社工場のUV殺菌機にて0.02㎜のフィルターを通したものを使用しております。

2.原料・包装資材調査
精米は原料メーカーにおいて粗選機(ダスト、麻紐、糸屑、木片、ゴミ等の除去)、石抜機、ロータリーシフター(砕粒、糠玉等の除去)ガラス選別機、色彩選別機、スーパーチェッカー(プラスチック、シリカゲル、着色物、石、ガラス、金属類の除去)により、異物を除去しております。小豆につきましては、比重選別、石抜機(2回)、縦型風力選別、色彩選別、手選別により異物除去をしております。使用しております袋につきましては、メーカーにおきまして傷等の検査を行った良品のみを購入しております。

3.製造日の行程状況
トラブルに関する報告は記録されておらず、正常に生産が行われておりました。

4.類似品の調査
工程内の設備・備品等につきまして確認いたしましたところ、類似品の使用はございませんでした。

5.衛生管理体制
従業員は規定の作業服・ヘアーネット・帽子・マスクを着用し、工程内に入場する際には、鏡による目視点検、粘着ローラーがけとエアシャワー室(空気循環式除塵室)通過により、付着異物の除去を実施しています。さらに工程内への私物の持ち込みを一切禁止しております。

6.再現テスト
弊社製造工程内におきまして加圧加熱殺菌工程があることから、確認の為、異物の一部を当該製品と同条件の温度・時間で加熱し再現テストを実施いたしましたところ、異物は熱により変形し、色は若干黄味がかり、硬さが増しました。このことから、ご提起の異物が加圧加熱殺菌工程前に混入した可能性は低いものと推察いたしました。

【原因】
調査の結果から行程中に異物した可能性は低いかと推察されますが、この度の件につきましては、ご提起の異物がどこから混入したか、明らかにすることはできませんでした。誠に申し訳ございません。

【今後の対策】
中谷様のご提起を真摯に受け止め、異物混入防止を含む品質管理を一層、徹底して参ります。

この他、参考資料として、1.異物の拡大写真 2.再現テストでの加熱前・加熱後の写真 3.FT-IRの分析グラフが載っていた。

要するに、「原因不明」。しかも、「加圧加熱殺菌工程前に混入した可能性は低い」。
加圧加熱殺菌って、パックに詰めてからするものですよね?
ということは、工場でパックされた時には入ってなかったということ?
じゃあどこで入ったんだ。
うちで開封した後で入ったということになるじゃないか。
信じられない。大体、あの異物やそれに類するものはわが家には1つもないのである。

再現テストの評価にも納得できないところがある。
加熱したら色が変わったということだが、そもそも私が送った異物がそれまでに加熱されたことがあるかどうか、確認したのだろうか。
加熱するごとに色が変わっていくかもしれないではないか。
それに、異物が入っていたために何か有害な物質がおかゆに流れ出していないか調べてほしいと告げていたのだが、そのことに対する調査報告はない。
とうてい納得できる回答ではなかった。

周囲の人たちは「事を大きくしないのか」と言っている。
何しろ、相手は天下の味の素なのである。
しかし、これ以上手間と時間をかけ、嫌な思いを重ねてまでクレームを言い続けるメリットが私にあるだろうか。別に、「私が入れたんじゃない」ということを、味の素にわかってもらわなくたって、私はちっとも構わない。あの異物がパックから出てきたことは、私自身がこの目で見ているのだから。

インターネットで類似の情報を検索したところ、今回の私とほぼ同じ体験をした人のプログを発見。まったく同じ流れなので、真実だろうと思う。
彼は報告書に同封されていたアンケート用紙に疑問や問題点を書いて送ったが、なしのつぶてだったらしい。私もQUOカードを送り返したいが、何の意味もないだろうなあと思うと面倒くさくなってしまった。

そもそも私はほとんどクレームを言わない。そのかわり、二度とその店には行かないし、品物も買わない。今回も、そうしようと固く心に誓った。味の素製品はたくさんあるから、一切使わないとなると不自由だろうが、なに、構うものか。

今回のクレーム対応において、生身の人間が応対したのは最初のお客様相談センターだけであった。見事なほどマニュアル通りの応対だった。
日本中から毎日数え切れないほどのクレームが来るのだろう。そのことは理解できる。
しかし、お客様は1人1人違うのである。“その人”に向き合って対応しないで、何が『クレーム対応マニュアル』か。

お客様から何か言われたら、それが何であれ、気持ちをきちんと聴くことがどんなに大切か、我が身に降りかかってきてつくづく実感した。「基本だ、重要だ」と言われながら、企業側の対応を楽にするために、そのことが忘れられているのではないか。

私自身、クレーム対応研修も行っている。今回は、そういう意味でも勉強になったと思うことにした。