岡山の社会保険労務士です。ストレスチェック実施の外注、就業規則等社内規程の作成業務委託、労務管理、社会保険の手続、給与計算の外部委託、記帳代行、経理のアウトソーシング事業者、新入社員研修、ビジネスマナー・コミュニケーション・メンタルヘルスなどの研修・セミナー・講演を実施しています。

「父親たちの星条旗」を観ました。

スピルバーグ制作、イーストウッド監督なんて、なんだか「そういうのってありなわけ?」と、いささかうさんくさい目で見ていましたが…
いや、すみません、まいりました、という感じです。(笑)

この映画は太平洋戦争末期に硫黄島で日本軍が玉砕した激戦をアメリカ側の視点で描いたものです。
作品自体は2部構成になっており、1部がこの「父親たちの星条旗」、2部は「硫黄島からの手紙」という題名で日本側の視点で描かれます。(12月公開予定)
戦争には善も悪もない、ただあちら側とこちら側があるだけ…。

2部構成にした理由はそんなところにあるのでしょうか。
太平洋戦争に関しては「日本・敗者・悪」「アメリカ・勝者・正義」というスタンスだった今までのアメリカ映画とは一線を画しています。
イーストウッド監督のクールさ、公平さというものを強く感じました。

私は、もう戦後ではないと言われた時代に生まれ、高度経済成長と共に育ってきた世代です。
子どものころ、周りの大人たちはその多くが戦争経験者でした。
彼らははっきりと口に出して戦争経験を語ったり、声高に戦争反対を叫ぶことはありませんでしたが、「戦争はよくない、もうまっぴらだ」という雰囲気が子どもにも強く感じられたものでした。

硫黄島はガダルカナルやニューギニアと同じように、『玉砕の島』『悲劇の島』として強い印象を残しています。
ところが今回、この映画を観て認識を改めた点がいくつか出てきました。
まず、硫黄島攻撃当時、アメリカ本国では長引く戦争に国民が倦んでいたということ。
戦費も底をつき、戦時国債の発行が急務でした。
太平洋戦争においてアメリカは常に物量作戦をとっており、余裕たっぷりだったと思っていたので意外でした。

この「父親たちの星条旗」には原作があって、作者は硫黄島の擂鉢山に星条旗を掲げた海兵隊員の息子です。この時の写真がアメリカ国民の心を再び戦争へと振り向かせ、勝利へと導いた…と映画は語ります。
そして、日本軍は物資も増援もない中で実に激しく戦い、決してやられっぱなしではありませんでした。
米軍の死傷者数が日本軍のそれを上 回った唯一の戦いだったのです。
戦闘シーンではあくまでもリアリティを追求し、エンドロールに出てきた当時の写真とそっくりなシーンがいくつもありました。

戦後、多くの戦争映画が制作され、私もそのうちのいくつかを観てきました。
しかし、この「父親たちの星条旗」ほど、納得でき共感できるものはかつてありませんでした。
必要以上に正義を訴えることもなく、罪悪感を押しつけることもない。
ただ、起きたことを淡々とその場にいた人の視点で描いています。
アメリカでこの作品が作られるまでには朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、同時多発テロ、イラク戦争を経て60年の歳月が必要だったのでしょう。
ぜひ、世界中の人に観てもらいたいと思います。
12月に公開される第2部「硫黄島からの手紙」も大変楽しみになってきました。
それを観終わってからまた感想を書きたいと思います。