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2月17日夜のNHKニュースで、東京の高齢者向けマンションで介護ヘルパーが日常的に高齢者の身体を拘束していたことがわかり、区役所の介護保険課は高齢者虐待に当たるとして会見を開きました。
このマンションは有料老人ホームとしての届け出はされておらず、医療法人が入居者に介護ヘルパーを派遣する形でサービスを提供していました。
認知症の人や体を動かすことができる人にも拘束が常に行われていたということです。

こういった有料老人ホームとしての届け出を行わず、従って行政の指導や検査の対象にはならない高齢者向けの住宅は「無届け介護ハウス」と呼ばれています。
一戸建ての住宅から数棟あるマンションまで、建物の規模や収容人数は様々ですが、高齢者がそこに入居して訪問介護サービスを受ける、という形になっているようです。
中には、インフルエンザが蔓延し多くのお年寄りが亡くなくなったにもかかわらず、保健所に届け出なかったために事態を悪化させた無届け介護ハウスもありました。

ところが、先日NHKの「クローズアップ現代」を見ていて驚いたことには、東京だけでも無届け介護ハウスが80以上もあり、特別養護老人ホームに入居できない高齢者の“救済施設”となっているというのです。
現場の実態を知ってもらいたいと取材に応じた経営者が、入居者のほとんどが行政からの紹介だと言っていました。
一人で暮らしていけなくなったが介護する人がいない、病院に入院している間に要介護度が進み家族では世話ができない・・・。しかし、都会の特別養護老人ホームは特に待機者が多く、いつになったら順番が回ってくるかわかりません。介護は待ったなしなのに。
そこで、区や市の担当者から“お願い”の電話がかかってくる。

先の無届け介護ハウスは2階建てのごく普通の民家でした。和室にベッドがいくつか置いてあり、そこで寝たきり状態のお年寄りの世話をスタッフがしている映像が映し出されていました。
見たところ、狭い部屋にお年寄りがぎっしり詰め込まれている、という感じ。『介護施設』のイメージからはかなりかけ離れています。
しかし「一人では不安だった。ここに来られて安心した。」という男性の言葉は無視できません。

過去には「寝たきりアパート」が問題になったこともありました。
アパートとはいっても実態は介護施設で、寝たきりで経管栄養の人ばかりを入居させ、アパートを建てた建設会社が関連会社(訪問介護・訪問看護・福祉器具レンタル等)を設立しそちらで利益を上げる、というシステムでした。
関東圏であっという間に拡大し、マスコミにも取り上げられて問題化しました。

介護保健法ができて、サービス業としての介護事業という認識が確立したのはいいことだと思います。
しかし、よいサービスを提供したいと頑張っているところもある一方で、高齢者を食い物にする業者が後を絶たないのも事実です。
そういう不埒な輩のせいで国や行政の締め付けが厳しくなれば、迷惑を被るのは良心的な施設や事業所であることを忘れてはいけません。
介護保健法が改正され、新年度から介護報酬が大幅に引き下げられます。
ある関係者は「小規模で手厚くケアしている非常に優れたデイサービスやグループホームもある。今回の改正で、そういうところがダメージを受けるのではないかと心配している。」と言っていました。
超高齢社会に生きる一国民としては国の対応には首をかしげることばかりです。

国は在宅介護を推し進めていますが、そろそろここらで在宅か施設かの二者択一的な考え方を見直す必要があるのではないでしょうか?
どちらにもメリットがあり、デメリットがあります。それを考慮してその人にとってのベターを探すのがケアマネージャーであり、家族なのです。

介護する側される側、生きている限り誰にでも必ず訪れる立場です。
今すぐに何かできなくても、意識して生活していくことが大切だと思います。