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SANYO DIGITAL CAMERA9月17日に母がお世話になっているアダムスホームで敬老祝賀会があった。その食事会に一家5人で参加した。
今年の夏の暑さに恐れをなした私は、母のお盆帰宅を見送っていた。また、長男長女も来年は就職し、みんなで揃って食事をすることも減るだろうと考えて、家族全員の参加となったのである。

 
SANYO DIGITAL CAMERA参加数5人というのは一家族としては最高だったようで、ホーム側が気を利かせて家族水入らずで過ごせるようにと別室を用意してくれた。事務所前の面談室である。閉鎖された空間で孫たちに囲まれて座った母は、「ここはどこ?あなたは誰?」状態で落ち着かなかったようだが、まずまずのご機嫌で食事を済ませていた。

 
母はアダムスホームに入所して3年半、92歳になった。その前には病院と老人保険施設にも居たから、施設というものに入って9年になる。当初は介護保険導入前ということもあり、母を施設へ入れることに大きな抵抗があった。しかし、足腰がしっかりしたままで認知症の症状が現れ、朝となく夜となく戸外で騒いだり、誰彼かまわず電話をかけてトラブルを引き起こす母の面倒をみていた私の方が先にダウンしたのである。母の老いを認めようとせず、協力的どころが状況を悪化させる身内が身近にいたことも、最初に入院に踏み切った理由の一つであった。
今でも、泣きながら母を病院へ連れて行った日のことを覚えている。『多発性脳梗塞』と診断され、そのまま入院となった。その後、2つの老人保健施設を経て、アダムスホームにお世話になっている。

現在、老人介護の考え方は当時に比べて変化してきているとは思うが、そもそも介護保険自体が在宅介護を柱にした制度である。私の周囲でも在宅で介護している人がたくさんいる。施設に入所している場合もあるのだろうが、そういった家族はみな一様に口が重いようで、なかなかそうとは自分から言わない。

テレビでも新聞でもまた書籍でも、介護=在宅介護である。もちろん、在宅で高齢者の面倒をみることは筆舌に尽くしがたく大変なことであり、また感動的でもあるから、そちらを取り上げるのは当然である。また、高齢者にとっても住み慣れた家で家族や近所の人と過ごすのは、他に代え難い生き甲斐にもなるだろう。
しかし、そう考える度に、私のような家族は胸がふさがれるような思いをする。母への申し訳なさ、自分のふがいなさ、そして周囲の目。結局のところ、母のことであるにもかかわらず、私が決断しなければならなかった、そのことが重くのしかかっているのだ。

施設に入所する(させる)理由は様々である。そして、入所後の家族の対応もまた同じだ。まったく身寄りがない人もいる。面会に来ない家族や、毎日食事をさせに通う家族もいる。それを同じ価値観で測ることはできない。私はこの9年、母の変化をずっと見てきた。施設での生活のメリット・デメリットも感じている。ただ、母を在宅でみることができない自分であれば、何を語ることもできないような気がして黙するのみである。