岡山の社会保険労務士です。ストレスチェック実施の外注、就業規則等社内規程の作成業務委託、労務管理、社会保険の手続、給与計算の外部委託、記帳代行、経理のアウトソーシング事業者、新入社員研修、ビジネスマナー・コミュニケーション・メンタルヘルスなどの研修・セミナー・講演を実施しています。

070930_1700~04バリデーションの研修を受けに行ってきた。日総研主催の「バリデーションの基本テクニックと現場での生かし方」である。
バリデーションとは、『認知症高齢者へのコミュニケーション技法』のこと。アメリカのナオミ・フェイル氏が創始した。(バリデーションとナオミ・フェイル氏については「ゆうこのOK牧場」参照)以前から機会があったら学びたいと考え、あちこちリサーチしていた。ラッキーにも岡山で開催されると知って早速申し込んだところ、受付番号1番だった(笑)。

070930_1700~03私がバリデーションに関心を持ったのには2つの理由がある。
まずは仕事のため。介護職対象の傾聴研修やコミュニケーション研修を行っているが、最近、「認知症の利用者とコミュニケーションが取れない」という悩みを聞くことが多くなった。アンケートにも記入してあるし、セミナー後に個人的に打ち明けられることもある。「専門職なのに」と言うなかれ。認知症のお年寄りの状態は様々で、その対応は本当に大変なのである。

 
070930_1700~01もう一つの理由は、私の母である。母が認知症で施設に入所していることは、何度かコラムにも書いた。身辺自立ができているので介護度は2だが、見当識障害があり、コミュニケーションを取るのは難しい。ましてや、実の親である。「なんでそんなこと言うの」とか「しっかりして。情けない」という感情を完全に排除するのは無理なことに思えた。それが昨年夏、ナオミ・フェイル氏のセミナーを受けて、認識が一変したのである。認知症の高齢者でも、感情は最後まで残る。そこに焦点をあてて援助するという考えは、「呆けてるのに何言っても同じ」といういい訳を払拭するのに十分だった。

それ以来、できればバリデーションの具体的な技法を学びたいと思っていた。
しかし5時間程度ではとても学んだとは言えないので、バリデーションを“かじった”というところか。

今回のセミナーは、当然のことながら、受講者はおそらく私以外みんな介護職か看護職だと思う。そういう人たちと話していて気づいたことがある。
施設においては、介護者が入所者の誰か一人に常に意識を集中するということは不可能に近い。必要に応じて気をつけるが、それはあくまでも介護者の側から見ての『必要』であり、必ずしも入所者サイドのニーズに合っているとは言えない。だから、訓練を受け、実際に現場で認知症の高齢者の世話をしていながら、相手の話す言葉をそのままに受け取って、その奥にある感情にまで思いが至らない人もいるのである。

バリデーションは、いわゆる技法として身につけることができるが、その実行は難しい。心の構えが整わなければいけないからだ。
コミュニケーションとは、お互いがお互いを受け入れてこそ成立する。相手に受け入れてもらえないことを嘆く前に、自分自身が相手を受け入れることが大切だと思う。
もしかしたら、バリデーションを行う時に一番の障害となるのは、自分自身の心かもしれない。